今、就活市場は圧倒的売り手市場と言われています。
そんな中、就職支援会社が就活生に対して行ったアンケートに、非常に興味深い結果が出ていました。
6月時点で、およそ6割の就活生が内定を貰ったと回答しています。内定獲得社数については、もっとも多かった回答は一社となっていますが、二社、三社と複数内定者も多く存在します。
一方で未内定者については、うち7割が内定の見通しすら立っていないと答えています。
このことから、売り手市場とは言え、シビアな「就活格差」が生まれている現実も読み取ることができますね。
ここまで読まれて溜息を漏らされた方も多いことでしょう。しかしこのアンケート結果には、そんな方々に希望をもたらす結果も示していました。実は内定を貰った就活生のうち、就職活動を継続すると答えた学生が過半数にも上るのです。
これを企業側から見ると、せっかく内定を出したのに辞退される可能性があるということです。近年では人手不足による倒産件数も増えており、新入社員の確保は企業にとっても死活問題となりつつあります。実際、筆者の知人の企業でも、内定を出した学生全員から辞退されて、頭を抱えておりました。
しかし、この状況は、まだ内定を貰っていない学生にはチャンスです。
そこで今からでも間に合う、就職格差に打ち勝つための3つの心得をご紹介しましょう。
大学受験の失敗は就活で取り返す
子供の頃から勉強が苦手だった、学歴なんて社会に出たら役に立たないと思っていたから、など、3流大学に入った理由は様々でしょう。
どんな理由にしろ、3流大学に入学した時点で、それは受験対策に失敗したのです。
就活の時期を迎えて、あの時もっと勉強しておけば良かった、という後悔がひしひしと押し寄せてきた方も多いでしょう。残念ながら過去は変えられません。就活では大学受験の轍を踏まないことが肝心です。
では、具体的に何をすればよいのか。
これからの時間は全て、就活にあてる覚悟を持ってください。大学生活最後の一年ですから、思い出づくりに弾けたい気持ちはわかります。しかし考えてみてください。
受験生だった時、受験勉強にどれくらいの時間を割きましたか?
1流大学に進学した人たちは、1日の大半を受験勉強にあてて努力してきたのです。その結果が、現在の就活格差に繋がっていることを、まずは自覚してください。
有名企業ではなく大手企業を狙う
毎年、就活生を対象にした就職希望ランキングが発表されますが、1位から10位までずらりと有名企業が並びます。そのうちの一社に決まれば、勝ち組と呼んでもいいでしょう。
残念ながら、3流大学の学生がこのようなランキング上位の企業に就職するのは、ほぼ不可能です。ダメ元でエントリーすることは止めませんが、記念受験のような真似は時間の無駄でしかありません。
3流大学生にお勧めなのは、有名企業ではない大手企業です。もちろん、中小企業やベンチャーにも優良企業は多数存在しています。
隠れた優良企業を優先的に狙う
3流とはいえ、新卒であること自体がブランドとしての価値を持つこの時期に、初めから中小やベンチャーを狙うのはもったいない話です。
中小企業庁の指針で、【資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人大手企業(製造業その他)】を中小企業と定義づけています。つまりこれより規模の大きい企業は、いずれも大手企業となります。
あとは企業情報誌で、条件を満たしている企業を探すだけ。一読すればわかると思いますが、大手でありながら一般にはほとんど無名の企業が数多く存在しているはずです。その手の企業は新卒採用に苦労している可能性があり、3流大学生にもチャンスが残されています。
しかし、以下の2点には注意が必要です。
- 新卒の3年内離職率が高い
- 創業年数に比較して社員の在職年数が短い企業
こういった企業は、社員を使い捨て人材と考えるブラック企業の可能性があります。また初任給が業界平均より高すぎる企業は、過酷なノルマが課せられている場合があり、昇給率の低い企業も要注意です。
また気になる企業があれば、会社説明会には必ず出席してください。そこでの雰囲気や、インターネットの口コミなどとも合わせて、少しでもブラック企業の可能性があれば有力候補から外してください。
就活に見栄やプライドはいらないと開き直る
自分が受けたい企業が決まったら、あとは試験を受けるだけです。
ただし、自分が納得できる一社だけ、などと企業を限定してはいけません。これも大学受験と一緒で、滑り止めは用意しておきましょう。
ただし滑り止め企業も大手の中から選んでください。それも多数であればあるほど良いです。勝ち組になる最大の秘訣は、選択肢を多く持つことです。
とにかく企業説明会にはがんがん出席してください。試験もどんどん受けてください。周りから、なりふり構っていないと思われても、3流大学生なら気にする必要はありません。3流大学生が唯一1流大学生に誇れるもの、それは世間体を気にしなくていいということなのです。
数多く貰った内定から最高の一社を選ぶ時、それが勝利の瞬間です。
まとめ
3流学生の就活戦略は
- 就活に時間をかけること
- 隠れた優良企業を狙う
- プライドを捨てる
の3点です。
3流大学に入ったばかりに、就活で辛酸を舐めてきた方々にとっては、今が踏ん張りどころですね。
気を引き締め、就職の勝ち組を目指して頑張ってください。