新卒者の３割が３年以内に辞めると言われてはいても、苦労して就活を行い、せっかく内定を貰った企業。できることなら末永く努めたいと思うのは当然のことです。
でもその企業がブラック企業だったらどうしよう？自分の思っていた企業と違ったらどうしよう？
こんな不安は尽きませんよね。そこでついつい、ネットの口コミを気にしてしまうのも当然です。
しかも内定先企業の悪い口コミを見つけてしまったら、動揺もしてしまうでしょう。
今回のコラムでは、そんな時に早まって内定辞退などと考える前に、チェックすべきポイントについて語ります。
参考にした記事：【内定者が教える】会社の評判の調べ方
悪い口コミは「退職した社員が不満をぶつけているだけ」は本当か？
その企業に不満があって辞めた社員は、当然企業にいい印象を持っていないものです。特に辞めた直後は感情的になって、酷い口コミを投稿してしまうこともあります。
しかし中には、本当に企業の悪いところを真摯に投稿している口コミも存在します。
そこで見極めたいのが、その口コミは悪口なのか批評なのか、あるいは犯罪の告発なのかというところです。
悪口の特徴の一つは、ある特定の同僚や上司のことを批判していることです。仮にその悪口が真実だとしても、それが即パワハラであるとか、社内全体の雰囲気が悪いと決めつけることはできません。単なる個人的な不満を、企業評価を下げることで解消しているだけということもあるのです。
逆に批評の場合は、企業全体として問題にすべき点を挙げ、もっとこうした方が良い、などの建設的な意見も併せて表記されていることが多いのです。
注意が必要なのはパワハラやセクハラ行為を告発する趣旨の投稿です。上司があからさまに部下を虐めているにもかかわらず、企業全体でそれを容認していたり、ウツ病などで休職したり、退職したりする社員が多い、などの書き込みは見過ごせません。
こうした書き込みがいくつもあるような企業は、ブラック企業の可能性があります。しかし口コミだけで判断するのは禁物です。
口コミは基本的に匿名ですから、一人の人間が何回でも書き込むことができますし、嘘を書き込むだってできるのです。
ネットの口コミで良くない評判を目にした時は、ほかの方法で企業の評判を調べてみることが重要です。
例えば就職四季報。ここには新卒で入社した社員の３年後離職率が掲載されています。口コミが悪くてこの数字も悪ければ、ブラック企業の可能性がかなり高いと言えるでしょう。
また、ネットの口コミサイトは一か所だけでなく、複数を閲覧してみましょう。あるサイトでは悪口だらけでも、別のサイトではいい評価の方が多いということもあるからです。
OB・OGに知り合いがいるなら、サイトの口コミを見せるなどして、真実かどうか確認してもいいでしょう。
口コミするのはごく一部の社員だけ
大抵の口コミ投稿サイトは、会員登録しなければ投稿できないようになっています。そのうえで、複数の質問事項に答えていくのは結構手間のかかる作業です。
そこまでの労力をかけて口コミを登録する人なんて、実はそう多くはないのです。
実際、口コミ投稿サイトを確認してみると、誰もが知るような大企業でも、口コミの件数が少ないこともあります。
評価の仕方にしても、特に企業に対して不満がない、普通、と評価する口コミはほとんどなく、高評価か低評価か、２極化していることがわかります。
つまり口コミを投稿するのは、割と極端な評価を行う一部の社員だけだということです。
また、同じ企業でも評価する人間のポジションによって、大きく見方が異なることがあります。
例えば事務・管理部門では残業が少なくて働きやすいところがメリットである代わりに、仕事自体は代わり映えせず、やりがいがないなどの不満を述べる社員がいるかもしれません。
一方、営業では、残業は多くて大変だが、仕事にやりがいがあると評価する社員がいるかもしれないのです。
重要なのは、悪い口コミが書かれていても、それが妥協できる部分かどうかです。
自分にとって大事なのは給料なのか、やりがいなのか、社内が家族的で和気あいあいとしていることなのか、そのうちのどれに悪い評価がつけられていると、自分にとって妥協できない部分なのか。
そこをしっかり考えるようにしてください。
また、世の中には、全員が満足できる企業はありません。社員が1000人いて、900人は満足であっても残る100人が強い不満を持って口コミを投稿すれば、その企業の評価は悪くなってしまいます。
結論として、口コミはあくまで参考程度に眺めて、あまり気にしないことが一番です。
入社してやっぱり口コミ通り最低の企業だった、となれば転職するという手もあります。
