就活コラム

元人事担当者が教える企業研究の目的と正しいやり方

就活に企業研究は必要とわかっていても、どのくらい真剣に取り組んでいるでしょうか。実は企業研究は、面接で最も他の応募者と差を付けやすいポイントなのです。

そこで今回は、元人事担当者の視点から、企業研究の大切さと正しいやり方を解説していきます。

企業研究は面接が苦手な学生こそ真剣に取り組みましょう

学歴もぱっとしない、学業成績も今ひとつ、学生時代目立つ活躍もしていない。そんな就活生でも、一発逆転のチャンスが残されているのが面接です。

でも人前で話すのは苦手だな・・・、と思う学生も多いことでしょう。

緊張のあまり、アピールしたいことの半分も言えなかった、と面接の後で悔やまないためにも、企業研究は必要です。

せっかく志望動機を丸暗記してきたのに、緊張や焦りで思い出せなくなってします。

私はこれまで、何も言えなくなってしまう学生と、数多く接してきました。

考えた内容なら忘れない

学校の試験を思い出してください。単純な暗記だとすぐに忘れてしまいますが、どうしてそうなるのか考えながら覚えたことは、なかなか忘れないものです。

面接も同じです。もし丸暗記した志望動機を忘れてしまったとしても、どうしてその企業を志望しようと思ったのかは覚えているはずなので、それをそのまま面接官に伝えることができるのです。

企業研究で志望動機を見つけましょう

面接の志望動機としてNGなのは、

  1. 「御社の将来性と技術力の高さに惹かれ〜」と具体性がないこと
  2. 「地元に就職したくて〜」や「都会で働いてみたくて〜」といった立地条件のみにこだわること
  3. 「御社で勉強して、自分を高めたいから」といった自分の利益しか考えていないこと

このような発言は、面接官に嫌われます。

志望動機で一番大切なのは、なぜその企業でなくてはならないのかをはっきりさせることです。

恋愛では一目惚れという言葉があります。

単に見た目が好み、というだけで恋に落ちてしまうパターンも少なくありません。

しかし、いざ告白する段になって、「見た目が好きです」と告白されて喜ぶ人はあまりいないのではないでしょうか。たとえ嘘でも「優しそうなところが好き」とか「一緒にいるとリラックスできる」とか、内面を褒められた方が嬉しいのは間違いありません。

企業も同じです。

企業研究とは、企業の内面の良さを見つけて、そこを好きになるのが目的であり、志望動機は企業への告白なのです。

企業研究で入社後のミスマッチをなくしましょう

先の段落と同じように恋愛に例えてみましょう。例えばすごいイケメンや、美人に告白して付き合い始めたとします。

でもその相手がとっても性格が悪かったり、常識がない相手だったりしたら、たちまち幻滅するのではないでしょうか。そこまで極端ではなくても、趣味が合わず、価値観も違えば一緒にいても楽しくありません。

就活も一緒で、企業との相性は大切です。入社してから、こんな企業だとは思わなかった、と後悔しないためにも、企業研究はしっかり取り組んでおきましょう。

人事担当者がおすすめする企業研究のやり方

企業研究をやりたくても、もう面接まで時間がないという場合も多いでしょう。

ここでは、できるだけ短時間で行えて、効果的な企業研究のやり方をお教えします。

  • 東洋経済新報社発行の『「会社四季報」業界地図』
  • 日本経済新聞社発行の『日経業界地図』

と言えば、業界研究には必読とも言える参考書です。

こうした書籍に載っている有名企業に応募するなら、2冊のうちどちらかは絶対に読んでおいてください。

業界全般のことはもちろん、業界内のヒエラルキー(序列)や、他社と比較しての企業カラー(保守的なのか革新的なのか)がよくわかります。

参考就活における業界研究の必要性と具体的な方法

企業のホームページは必ず閲覧

企業のホームページは情報の宝庫です。

必ず読むべきは、会社情報のページです。

ほとんどの企業はここに、社長の挨拶や、企業理念を載せていて、企業やトップが、どんな考えでその企業を運営しているのかを知ることができます。

特に企業理念は、暗記するくらい読み込んでください。

次に上場企業であれば、株主向けに情報を発信しているページがあります。このページは、株主に向けて自社の業績や業務内容が解説されており、学生にも比較的わかりやすい資料が提示されています。

この先の業績見通しについても言及されており、今後どういった事業に力を入れていく予定なのか、と言った企業の将来性に繋がる情報も豊富です。

ここまで調べれば、大体の企業イメージは掴めるのではないでしょうか。

時間があればOB・OG訪問をする

次に時間があれば、OB・OG訪問を行うのもいいでしょう。

ただし、「とってもいい会社だよ」と言われた場合、どこがどう良いのか、具体的なエピソードを語ってもらってください。

その上で、彼らにとって良いところが、自分にとっても良いところなのか、冷静に判断するようにしましょう。

ネット上の口コミは注意

最後に、インターネットの口コミにあたるという方法もありますが、こちらは注意が必要です。

というのは、仮にインターネットの口コミにその企業の悪口が書かれていたとしても、それを書き込んだ人間が、どういう立場で書き込んだかがわからないからです。

例えば仕事で何かミスをして、上司からこっぴどく怒られた腹いせに、「うちの会社はパワハラがひどい」と書き込んでいるかもしれないのです。

何百人、何千人と社員がいれば、不満を持つ社員が出てくるのは当然です。企業の悪い口コミを見つけてもすぐに鵜呑みにはせず、他の口コミサイトの情報にもあたって、真偽を見極めるようにしてください。

まとめ

繰り返しの例えになりますが、就活は恋愛に似ています。

一目惚れした企業のことを調べていくうちに、だんだん自分の理想からかけ離れていくこともあります。反対に、初めはそれほど興味もなかったのに、調べていくうちにどんどん好きになっていくこともあります。

いずれにしても大切なのは、企業との相性を知ることです。そして本当にその企業が好きだと思ったら、面接では全力で、その思いを面接官にぶつけてみてください。

企業研究チェックリスト

最後に企業研究のチェックリストを作りました。印字して抜け漏れがないようにチェックしていきましょう。

項目  備考
「会社四季報」業界地図
日経業界地図
の2冊を読み業界の位置付けを知る
 ▶︎参考
企業のHPをチェックする
代表挨拶
企業理念
企業理念は熟読
株主向け情報をチェック
事業内容
売上高・営業利益の伸び率
事業計画
業績の見通し
株主向けなのでわかりやすく
解説
上場企業の場合は必ず確認
時間があればOB・OG訪問を実施 具体的な
エピソードを聞く

ネット上の口コミに関しては利用できるものが少ないので、出来るだけ避けるようにしてください。

また、内定まで応援してくれる就活サイトでは、企業が欲している人材像や企業研究の具体的な方法を全て無料で教えてくれます。

一人でなかなか進まない…と悩んでいる方は合わせて活用してみてください。

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