面接が終わったらお礼状を送った方がいいのでしょうか?
『送った方が良い』と解説している新卒向け就活サイトも結構あるようです。
そこで今回はお礼状の役割と書き方について、元面接官の視点で解説していきます。
お礼状で選考が有利になるのか?
これはずばり、面接後にお礼状を送っても合否に影響はないと断言できます。
考えてみてください。
面接での評価は今ひとつでも「お礼状を送ってくれたから内定を出そう」という企業が実際にあるなら、数々の就活支援サイトなどでも、お礼状を出すことをもっと積極的に勧めるはずです。
選考する側で考えてみると、一人か二人しか面接しないなら「この学生はお礼状を送ってくれた、礼儀正しくて好感が持てるな」と印象に残るかもしれません。
しかし、大企業や有名企業の新卒採用ともなれば、何十人、何百人と面接しています。仮に全ての学生からお礼状が送られてきたとしたら、印象に残るどころか「また、お礼状か…」とうんざりするのは間違いありません。
ですから、お礼状で選考が有利になるということはないのです。
実はお礼状を送る前に合否は決まっている
もう一つショッキングな事実をお話しすると、実はお礼状を送る前に合否はもう決まっているのです。
面接官はよく「選考の結果については1週間程度でご連絡します」などと学生に伝えます。でも、実際の選考に1週間もかけることはありません。
筆者が勤めていた企業の例で説明すると、面接後、面接官全員で学生達の印象を話し合います。この時点でほぼ、合格者と不合格者との間には線を引いてしまいます。
ですから、面接の後でお礼状が届いたからと言って、合格者リストに変更されることはないのです。
多少なりとも影響があるとすれば、合格と不合格のボーダーラインにいる学生ですが、それでもお礼状が届いたことを理由に、合格になることはありません。
もし、面接内容がダメだった…なんとかお礼状で逆転を…と考えている方は諦めて次へ行ってください。
お礼状での売り込みはNG!感謝の気持ちを忘れずに
それでは、お礼状は出してはいけないのでしょうか。
そう聞かれれば、
出しても出さなくても選考に影響はありませんが、出したい気持ちがあるなら、出しても不利になることはありません。
というのが答えです。
お礼状で大切なのは『ありがとう』という感謝の気持ちを伝えることです。
例えば、面接官から丁寧に応対してもらった、いい気持ちで面接を終えられたなど、本当にお礼を伝えたい気持ちがあるなら出しておきましょう。
ただし、せっかくお礼状を送るのだから、とあれこれ自己アピールすることや、くどくどとした長文を送りつけることは絶対にNGです。
お礼状の具体的な書き方
それではお礼状の書き方について解説します。
いつ送ればいいのか?
できれば面接が終わったその日にうちに送りましょう。遅くとも翌日には送るようにしてください。
お礼はメールでいいのか?
郵送が一番丁寧ですが、メールで送っても失礼ではありません。
送るのは1次面接か、最終面接か?
1次面接から出してかまいません。ただし、1次、2次、最終と全てにお礼状を送るなら、文面は変えるようにしましょう。
だれ宛に送るのか?
面接を担当してくれた方の名前とメールアドレスがわかれば、その方に送ります。わからなければ企業のホームページで、採用担当メールアドレスを探してください。
どうしてもわからなければ、無理に送る必要はありません。
どんなことを書けばいいのか?
まずタイトルは、ひと目で面接のお礼であることがわかるように書きます。
ビジネスメールの基本に則ります。
- 時候の挨拶
- 面接のお礼であることを最初に伝える
- 面接の機会を設けてもらったことへの感謝
- 簡単な面接の感想も添える
- 最後に企業への入社意思を軽くアピール
というような内容を書けば良いです。。
くれぐれも自分を売り込むような内容は書かないように、気をつけてください。
また、書籍やインターネット上には、使えそうなテンプレートがそろっていますが、そのまま使用したりしないでください。
お礼状は感謝の気持ちを伝えるものですから、自分の言葉で書くことに意味があるのです。
最後に、自分の名前と大学名を添えることも忘れないでください。
誤字脱字に気をつける
書き終わったら、必ず推敲はしてください。必要なことは全部書いてあるか、敬語の誤りはないか。
また、誤字脱字がないことはもちろんですが、メール送付先の会
社名、部署名、採用担当者名の間違いにも気をつけましょう。
間違えやすいのが、会社名の前に株式会社がつくのか、後ろにつくのか、○○部なのか○○支部なのか、記憶に頼らず、細かい部分まで注意を払ってください。
まとめ
採用結果に影響しないとは言え、社会人になればお礼状を書く機会も増えてきます。これを機に正しいお礼状の書き方を勉強しておくことは、決して無駄ではありません。
お礼メールを送るまで面接は終わりではない、というくらいの気持ちで、真心のこもったメールを送るようにしてください。