いざ志望動機を作ろうとした途端、志望動機がわからない、と頭を抱えてしまう学生も多いようです。
結果、取り繕って作ってしまいがちですが、内定をもらえるかどうかは、志望動機の出来栄えにかかっていると言っても過言ではありません。
そこで今回は、志望動機が思いつかない、といった学生向けに、面接官の目に留まり、内定に結びつく志望動機の作り方を解説していきます。
志望動機は本音1割建前9割
そもそもどうして、志望動機が書けないのでしょうか。
それは本音を隠して、いいことばかり書こうとしているからではありませんか? でも心にもない志望動機を作るのも抵抗があるし・・・、と悩みますよね。
私の学生時代の知人で、消防隊員になろうと面接を受け、「消防車を運転してみたかったからです」と正直な志望動機を答えてしまい、見事に落とされてしまった人がいます。
本人曰く、受かるために嘘までつきたくなかった、とのこと。
気持ちはとてもよくわかります。しかし志望動機は本音ばかりでは駄目なのです。
例えば次のような志望動機は、たとえ本当のことだとしても、そのまま面接で答えることはNGです。
- 有名企業で働いてみたかったから
- 地元で就職したかったから
- 初任給が高かったから
- 休みが多かったから
- 上場企業で安定しているから
- ゼミの教授に勧められたから
こんな志望動機を聞かされた時、大抵の面接官はこう思うのではないでしょうか。確かにそれが本音かもしれないけど、もう少し脚色してくれよ、と。
実際、このような志望動機については、私も面接で経験したことがありますが、全て一次面接でお断りさせていただきました。
とは言え、全く本音のない志望動機も、逆に嘘臭いなあと面接官に怪しまれてしまいます。
志望動機に本音が混じるのは構いません。ただしその割合としては、本音が1割、建前9割くらいにしておきましょう。
面接に通りやすくなる志望動機を作った例
例えば先ほど触れた消防士になりたかった知人の場合、本音の志望動機は「消防車を運転してみたい」でした。
これを軸に面接に通りやすくなる志望動機を作ってみます。
「子供の頃、近所で火災があった際、駆けつけた消防隊員達が、現場できびきびと働く姿に感銘を受けました。以来、街で消防車を目にするたび、自分もいつか、いち早く災害現場に駆けつけ、人々の生活を守る仕事をしたいと考えるようになり、消防士を志す決意をいたしました」
どうでしょうか。少なくともただ消防車を運転したい、というのよりは、消防士と言う仕事に対して、真摯な思いを伝えられる内容になったのではないでしょうか。
面接官は志望動機のどこに注目しているか?
企業が面接で志望動機を重要視するのは、学生の本気度を測りたいからです。
企業側にとって就職を希望する学生は、将来、企業の一員として働いてもらう大事な戦力となります。ですから、本気で我が社で働きたいという意欲のある学生に、内定を出したいというのが本音なのです。
そこで大切になってくるのが、その企業で働きたい、という強い思いを伝えることになります。
しかしどんなに、「御社が第一志望です」と伝えたところで、面接官の心には響きません。重要なのは、どうしてその企業に就職したいのか、ということを具体的に伝えることです。
面接官に注目させる志望動機の例
以下の志望動機を例に説明します。
「子供の頃から物作りが好きで、大学で勉強したプログラムの経験を生かしたく、IT企業である御社を志望しました」
子供の頃から物作りが好きという部分と、大学でプログラムを勉強したという部分は、自己PRとしては目を引く部分となっています。
しかし、プログラムの経験を生かせるIT企業は、他にもたくさんあります。つまりこの志望動機に足りないのは、どうしてその企業でなくてはならないのか、入社したら何をしたいのか、という視点です。
そこでその部分を意識して、作り直してみましょう。
「子供の頃から物作りが好きで、大学で勉強したプログラムの知識を生かして、人々の生活をもっと便利にしたいと考えています。御社のソフトウェアには、他社と比べて利用者目線で作られたものが多く、パソコンに不慣れな人にも使いやすい設計となっていると思います。もし、御社の一員となった際には、子供からお年寄りまで、気軽に使えるようなソフトウェアの開発にかかわりたいと考えています」
その企業が実際にどんな製品を作っていて、それはどんな特徴を持っているのか。この二点に加え、学生自身が企業でしたい活動も含まれたことで、学生の本気度がより伝わる内容となったのではないでしょうか。
説得力ある志望動機は企業研究で作る
このように志望動機を作るには、その企業のことを知らなければなりません。そこで大切なのが企業研究です。
企業研究から志望動機を見つける方法については、『元人事担当者が教える企業研究の目的と正しいやり方』で詳しく解説していますので、合わせてお読みください。
企業研究の中から、自分の本音に近いものがあったら、志望動機の中に取り入れてみるのもおすすめです。
例えば本音の志望動機が「給料が高い」だったとして、企業研究の中で、その企業は従業員への利益還元率が高いことがわかったとします。
それはつまり、従業員を大事にする企業だな、と考えることができませんか?そこで給料が高いことは隠して、従業員を大切にしてくれる企業、というところに焦点を当てて志望動機を作ってみるのです。
まとめ
志望動機の作り方についてご理解いただけたでしょうか。
志望動機の善し悪しを左右するのは、志望企業への本気度です。
とは言え本音も必要です。本音…キャリア・ライフプランですよね。そこにプラスして企業研究をして将来像を描けると良いです。
企業研究が進むうち、その企業の新たな魅力を発見し、本気で企業に恋をすることもあります。是非その思いを志望動機に盛り込んで、面接でぶつけてみましょう。