これからの就活に大事なのはマッチングです。
マッチングが合わなかった結果、すぐに企業を辞めることは簡単ですが、就活に費やした時間が無駄になってしまいます。
それを避けるためには、企業研究で企業のことをちゃんと理解しておくことが必要です。
企業研究の重要さについては『元人事担当が語る企業研究が絶対必要な3つの理由』で解説していますので、本記事と合わせてお読みください。
ここでは企業研究の一つである、OB・OG訪問について、その重要性と具体的な方法を説明します。
OB・OG訪問とは?
企業説明会や企業訪問など、就活では企業側から多くの情報を得る機会が提供されます。
例えば「我が社は風通しが良く、働きやすい会社です」と説明されて、いい会社だな、働いてみたいなと思ったとします。でもひょっとすると、実際は『社内の雰囲気は最悪で、居心地も良くない』かもしれないのです。
本来ならいいところも悪いところも明らかにするべきですが、残念ながらそんな企業はほとんどありません。試しにどこの企業でもいいので、求人内容を確認してみてください。
- 明るくフレンドリーな職場
- アットホームな雰囲気
- 女性活躍中
- 福利厚生、各種手当充実
などの言葉は目立ちますが、ネガティブな情報は見当たりません。
求人内容が全て本当なら何も心配することはないのですが、企業は自分たちの欠点は隠したがるものです。
そんな時、頼りにしたいのが、実際にその企業で働いているOB・OGの声です。
ポイント!
OB・OG訪問とは、いいところも悪いところも含めた、真の企業の姿を知る大切な手段である
OB・OG訪問の方法
OB・OG訪問の具体的な方法を説明する前に、そもそもどうやってOBやOGを探せばいいか説明します。
まず向かうべきはキャリアセンター(就職課)です。
キャリアセンターでは、卒業生たちの就職先を把握しています。大学によっては所定の手続きが必要となりますが、基本的にはOB・OG訪問をしたい旨を伝え、適任者を紹介してもらうことになります。
次に所属するゼミや研究室、部活やサークルの先輩にあたるという方法もあります。
しかし、上記の方法でうまくOB・OGが見つかるとは限りません。
そんな時はOB・OGを繋げるサイトの活用をおすすめします。サイトに登録している社会人の中から、OB・OGを見つけて話を聞くことができます。
参考同じ大学出身の先輩に話を聞けるOB/OG訪問ネットワーク「ビズリーチ・キャンパス」
訪問したいOB・OGが見つかったら、アポイントを取ります。
アポイントは電話でもメールでもかまいませんが、メールの方が相手の都合のいい時間に返信してもらえるので、こちらをお勧めします。
社会人としてのマナーを守ること
ここで忘れてはいけないのが、相手は既に社会人で、就活生のために貴重な時間を割いてくれる相手であること。企業の人事担当者に送るのと同じくらい、丁重なメールを心がけましょう。
OB・OG訪問をしたからと言って、採用に有利になるようなことはありませんが、悪いことは伝わりやすいです。
ここで失礼なメールを送ってしまった場合は、そのことが人事の耳に入って、悪い印象を植え付けてしまう可能性はあるので注意が必要です。
OB・OG訪問で聞くべき内容
実際にOB・OGを訪問した際、聞きたいことはたくさんあると思います。
ここでは絶対にこれだけは聞いておいた方が良いという質問だけをまとめておきます。
- 業務内容について
- キャリパス
- 人事考課制度
- 一番大変だった仕事について
- 社内の雰囲気
順番に見ていきましょう。
業務内容について
まずはOB・OGがどんな仕事をしているのか確認します。
- 大まかな業務内容
- 1日の流れ
- どんな時期にどれくらい忙しいのか
など、実際に働いている人から話を聞くことで、自分が思い描いていた仕事内容とのギャップが掴めます。
入社してからの働き方に注目してください。
キャリアパスについて
次にその仕事の、キャリアパスについて質問します。
キャリアパスとはある職種について「どういうキャリアを積んでいけば目標のポストまでたどり着けるか」といういわばキャリアを極めるための道しるべのようなものです。
組織がしっかりしていて、人材育成に熱心な企業なら必ずキャリアパスが用意されています。
もし、OB・OGにキャリアパスを尋ねて、しっかりした答えが返ってこなかった時は、面接で改めて質問するようにしてください。
人事考課制度
人事考課とは一定の基準で社員の働きぶりを評価する仕組みで、これによって昇級や昇格が左右されます。
残念ながらこの人事考課の基準があやふやな企業も多いのです。
OB・OGに人事考課制度について質問したら、OB・OG自身はその制度について、どんな考えを持っているかも確認しておきましょう。
なぜなら、人事考課は社員の不満が一番出やすい要素だからです。制度は立派だけど、実際は年功序列要素が強く、若手社員には不満が溜まっていることもあります。
表面だけでなく内部からしっかりと評価されているものなのかを見極めてください。
一番大変だった仕事
これまでに経験して、一番大変だった仕事は何か聞いてください。
そしてその話の中に、「この企業に入るとそんなことまでしなくてはならないのか」など、聞いていて納得できないような箇所があったら、より詳しく内容を聞くようにしてください。
社内の雰囲気
そしてもう一つ忘れてはならないのが社内の雰囲気です。できれば企業の求人票を見せながら、「明るく楽しい職場と書いてありますが、例えばどんな時にそう思いますか」と具体的なエピソードを引き出すようにしましょう。
また女性であれば、男女の区別なく、責任ある仕事を任されるかも確認しておきたいところです。
まとめ
OB・OGと言っても、全て本音を語ってくれるとは限りません。またOB・OGにとっては働きやすくていい会社だとしても、就活生にとっても同じだとも言えません。
しかし自分が将来働きたいと考えている企業で働くOB・OGは、就活生自身の未来の姿かもしれません。自分の目に映るOB・OGの姿は、自分の大事な将来を決める上で、きっと役に立つはずです。